幼なじみの不器用な愛情
「理恵」
エレベーターから降りてきた男性の声に待合室にいた患者が一斉にそちらのほうを見る。
するとその男性は首をすくめて恐縮した。
「わざわざ朝陽が持ってきたの？」
「あぁ。」
その男性は華と隆弘がよく知っている人だった。
「和田先生？」
その男性は華の担当医でもあり、隆弘の相談に載ってくれたこともある男性だった。
医師の和田と看護師の和田が親しげに話しているのを見て隆弘と華は目が点になる。
「あ、これうちの旦那なんです。」
看護師の和田が恥ずかしそうに医師の和田を見る。
「え？そうだったんですか？」
華は看護師の和田の笑顔に見覚えがあったのは、担当医の和田と笑顔がそっくりだったからだと気が付いた。
「これ、カルテお持ちしました。」
朝陽が理恵にカルテを渡す。

朝陽は一気に不安そうな表情になった華にすぐに気が付いた。
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