幼なじみの不器用な愛情

「あなたが使っていた薬はどれももしも妊娠しても大丈夫な成分の物ですよ？ご心配なく。」
と華に伝えると華はほっとしたようだった。
「朝陽」
理恵が夫の肩をたたく。
「まだ、診察前なんだから。余計なこと言わないで。」
「あー。悪い。」
ふたりのやり取りに少し緊張がほぐれた華はその後すぐに診察室に呼ばれた。

最初に医師の診察。
「尿検査の結果はこちらでも陽性ですね。次は内診して正常に妊娠しているか、週数を判定しましょう。隣に移ってください。」
理恵に説明を聞きながら華は内診室へ入った。

違和感を感じた直後、目の前にあるモニターに何やら映り始める。
「これが赤ちゃんの入っている袋ですよ。まだ、心拍が見えないので1週間後にもう一度来てください。それから少し出血していますね。切迫早産気味ですので、1週間は仕事を休んでください。」
「へ？」
「シャワーとトイレ以外はなるべく動かないこと。出血をおさえる薬を出しますね。」