幼なじみの不器用な愛情
『一人？』
華は車の免許を持っていない。隆弘はすぐに状況を察した。
『置いて行かれたのか？』
『・・・そうなのかな・・・』
『・・・動くな。そこに居ろ。今から行く。』
隆弘はそう言って電話を切るとすぐに自分の車のカギを手にした。高校生の時に取った車の免許。今では運転してあちこちに行けるようになった。バイト代を貯めて買った愛車に飛び乗りすぐに隆弘は車で華のもとへ向かう。

華のもとへ向かいながら華のことを考えていた。

華はすぐに誰かと付き合う。でも長続きしない。なぜかろくでもない男につかまってしまう。少し慎重に相手を選ぶように隆弘が言っても華は隆弘の言うことを聞かない。

隆弘にはその理由が分かっていた。

華は両親を事故で失っている。5歳の時に華は留守電をしていて両親が近所に買い物へ行く途中両親は土砂崩れにあい下敷きになった。両親が探し出され、身元が分かるまでの2週間。華は家に一人残されて過ごしていた。
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