幼なじみの不器用な愛情
華は自分の手を誰かにひかれ、その手に導かれながら光に向かって歩いた。
夢の中の華はきっとすべてが終わる方へ向かっているのだと思いその手にただひかれ、ついていく。

そしてまぶしい光に包まれた。

次の瞬間、華が目にしたのは自分の手を握りながら自分を見つめる隆弘の姿だった・・・。

「華・・・」
優しい声で華に話しかける隆弘。
「・・・」
「バカ。何してんだ。危なかったんだぞ?」
華があたりをきょろきょろするとそこは病室だった。

自分の手を引いて導いてくれたのが隆弘だったことに華は涙を流す。
なんでそんな夢を見るの・・・。

この気持ちは絶対に封印するって決めてるのに。
だって隆弘にこの手を放されたら私の心が壊れちゃう・・・
< 63 / 305 >

この作品をシェア

pagetop