幼なじみの不器用な愛情
絶望と孤独の中にいた前夜。
このまま一人で死んでしまうかもしれないと思いながら明かした一夜。


その時に想像すらしていなかったような温かい誕生日のプレゼントと、救いに、華は涙が溢れそうだった。

「うれしすぎる。」
そう言って隆弘に泣きそうなことが気づかれないようにうつむく。
「絶対に忘れないよ。俺は。華の誕生日をこれからもずっと。」
隆弘は華の心に想いが届くように願いながら言葉に意味を込めた。
華にはその言葉に込められた隆弘の想いがちゃんと伝わる。

でも華は気づかないふりをして微笑んだ。


ずっと誕生日を忘れないでいてくれるかもしれないと期待したら、違う現実を迎えた時に寂しくなる・・・。
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