幼なじみの不器用な愛情
華が全力で止めると隆弘はこぶしを握り締めて我慢した。
「もういいから・・・もう十分だから。」
自分がたたかれるよりも、自分のせいで隆弘にとってマイナスな状況になることがいやで華は必死だった。

結局男子生徒の担任教師が来て男子生徒を生徒指導室へ連れて行った。
「あれは退学か停学処分だな。」
隆弘の友達がそう言って華の落ちていた荷物を拾ってくれた。
「ありがとう」
華が受け取る。その間にも隆弘はまだ怒りが収まらずにいた。
「大丈夫？震えてんじゃん」
華の手が震えていることに気が付いた友達が華の手に触れようとするとすかさずに隆弘が自分の腰に縛り付けていたシャツを華の肩にかけた。
「大丈夫か？」
「うん・・・」
友達はその行動の速さに華に触れようとしていた手を引き戻すしかなかった。
「医務室行こう。」
「大丈夫だよ。」
「ダメだ。」
華の手を引いて隆弘は有無を言わさずに華を医務室へ連れて行った。
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