幼なじみの不器用な愛情
今度こそ華は幸せになれるかもしれない。
大学4年生になり隆弘の知り合いで早い友達は結婚をしたり中には子供が生まれる友達もいる。
そう考えるとまだまだ学生気分だったのに、自分たちはそんな歳になっているのだと実感をする。
華だって、もしかしたら高橋と結婚するかもしれない・・・

そこまで考えて隆弘はそれ以上考えが進まないようにベッドから起きあがった。

自分の部屋を出て浴室へ向かう。
「あんた帰ってたの?」
母に話しかけられてもそっけなく返事をする。
「ん」
「お風呂入るの?」
「ん」
「夕飯は?」
「ん」
隆弘は動きを止めずに浴室のドアの前につきドアを開けようとする。
「あんたは「ん」しか言えないわけ?男はつまらないわね。」
母に愚痴を言われながら隆弘は浴室のドアを閉めた。
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