いつも、ずっと。
「問題のあるとは俺の方で……。俺の考えば貫き通したかけん、こういうことになったとです。ちょうどいい機会やけん、おじちゃんとおばちゃんには俺の気持ちば伝えておこうと思って来ました。俺は……」

本当はまだこんなことを言うつもりじゃなかったけど。

高校生の分際で『気が早い』と叱られるかもしれないと思うと、尚更緊張する。

だけどもう後には引けない。

「明日美と結婚したいと思っています。これから大学に進学して、小学校の教師になるつもりです。社会人になったら貯金して、できるだけ早くプロポーズする予定です。大学卒業後、少なくとも五年くらいはかかるかな?」

二人とも、かなり驚いたようだ。

しかし、こんな反応も勿論想定内だし。

問題は認めてもらえるのかどうかだ。

「ねえ友也くん。ここまで正直に気持ちば話してくれたとは嬉しかとけど、本当なら私たちよりも先に明日美に話した方がよかっじゃなか?明日美にはなんも言わんでよかと?」

「明日美にはまだ言えん。俺の計画ではまだ先になる予定やけん今はまだ……。明日美に好きだという想いを告げるのはプロポーズする時だと決めているので。だけんせめておじちゃんとおばちゃんに許しばもらえんかなって思って。どがんですか?」

そう、今はまだただの高校生。

明日美を守ってやれる男になるには、まだまだ努力が必要だし時間もかかる。

焦らずにいくしかないが、できることなら確約が欲しい。

明日美との結婚を認めてくれるという、確約を。

おばちゃんはきっと心の中で『今ここで?無理に決まっとるやろ!?』とでも思ったに違いない。

そんなおばちゃんの代わりに、今まで口を挟まず俺の話を聞いてくれていたおじちゃんが、ようやく口を開いた。

「友也。お前の気持ちはよう分かったけど、今ここで約束はできん。明日美だけ置いてきぼりになるやろうが。まだ二人とも高校生やけん節度のある付き合いにしとけよ。先の事はお互いの気持ち次第やろ。また改めて許しばもらいに来い。よかか?」

さすがに甘くはないか。

しかしダメだと言われた訳じゃない。

結婚を許すには時期尚早とでも言いたいんだろう。

俺のこれからを見てもらって、認めてもらうしかないな。

待ってろよ明日美。

「……はい。そうさせてもらいます。付き合うこと認めてくれてありがとうございます」

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