いつも、ずっと。
入国ゲートから入ると、そこはもう別世界。

"ウェルカム"というエリアから歩いて移動することもできるけど、俺が選んだ交通手段は……。

「明日美、船に乗ろう、船!」

"カナルクルーザー"という運河を航行する船で移動することにした。

船の中から観覧車が見えて、明日美が大はしゃぎしてるのが可愛くて仕方がない。

とりあえず、最初に向かうのはドムトールンだけど。

観覧車は夜に乗ろうな、明日美。

ドムトールンからハウステンボスの街並みを眺めたあと、再び地上に下りてきた。

せっかくだから夜景やイルミネーションを見て帰ろうと思っていること、閉園時間の少し前までいるつもりだと明日美に告げる。

「それじゃ今日はたっぷり時間あるね。友也と一日ずっと一緒だなんて最高の誕生日!すっごく幸せだよ。ありがとう友也」

本当に幸せいっぱいだと言わんばかりの笑顔を見せられ、胸が一杯になった。

『友也と一日ずっと一緒だなんて最高の誕生日!すっごく幸せだよ』

そんな風に喜んでくれてるなんて、今日はここに連れてきて良かった。

俺も明日美と一緒に楽しもう。

今日だけは"偽者"を忘れて。


その後、明日美と二人手を繋いで街を散策した。

昼飯は一応明日美に希望を聞いたら、『美味しかもの』という超アバウトな返事だったから、俺が食べたかった佐世保バーガーに決定。

"ダム"というバーガーショップを探して、二人でそれぞれ違う種類のバーガーにかぶりつく。

同じものを二人で食べるのもつまらない気がして"キングダムバーガー"と"半熟テリまろバーガー"を買ってきたら『半分こしよう』と言われまず半分食べたけど……。

ぐっちゃぐちゃになってしまい、バーガーの面影はない。

それでも文句言わず俺が食べた残りを食べる明日美。

俺も明日美が食べた残りを食べる。

お互い間接キスだな。

明日美がちょっと照れたように見えて、俺もキュンとした。

満腹になった俺たちは、腹ごなしのためにまた歩いていろんなところを見て回ることに。

園内にはさまざまなアトラクションがあるから、飽きることもなく楽しむことができた。

今日は朝早かったし、明日美が疲れたりしてないか気になってたけど、機嫌は上々。

しかし、そんなんじゃ後が心配だ。

休憩したり、カフェでお茶したりしながら、明日美の笑顔を見つめ続けた。


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