いつも、ずっと。
「悪かった……明日美。俺だって同じとに。俺には明日美しかおらんけん他の女には興味なかし。つい嫉妬してしもうて、ごめんな」

「ううん、私こそなんか無神経やったかな?ごめんね」

明日美にみっともない姿を見せてしまった。

しかしそんな俺に呆れた様子もなく、俺が望んでいた言葉をくれるんだからな。

お前には敵わない……。

その柔らかな身体を優しく抱きしめながら思った。

俺のちっぽけなプライドなんて、どうでもいいじゃないか。

明日美がしたいようにさせてやれば。

ダブルデートだろうが、瀬名だろうが、構わないさ。

俺は俺のできることでフォローしてやればいいんだから。

「あのさ明日美。ケンカしたってほどでもなかやろうけど、仲直りすっか」

明日美の身体に絡みつかせていた俺の腕をほどき、目を閉じさせた。

仲直りの印として、明日美のおでこにチュッと軽くキスをする。

しかし明日美は気に入らなかったのか、目を開けない。

「足りんよ……。全然物足りん。もっと本気のやつ、ちょうだい」

確かに、これじゃ子供騙しみたいなもんだ。

俺だって全然足りてはいない。

「じゃ、目開けろよ」

「怒っとる……?友也」

俺が明日美に怒るなんて、ある訳がない。

言葉で返事する代わりに、その閉じられたままの瞼に唇で優しくノックした。

まだ、開かない。

こうなりゃとことん焦らしてやる。

耳や鼻の頭、頬っぺた……。

唇だけを避けて、キスの雨を降らせた。

「ねぇ、友也っ」

意外と早かったな。

あっさり降参して目を開けた明日美。

「今度は目、閉じるなよ」

俺から目を離すんじゃねえぞ。

二人瞬きも忘れたように見つめ合ったまま、唇を重ねた。

熱く視線を絡ませながら、キスを貪る。

明日美の柔らかい唇を優しく食んでみたり、舌でねっとりと舐め回したり。

誘惑するように半開きになった口の中に舌を入れ込み明日美の舌に絡ませる。

すっかり俺に従順になった明日美の舌に吸い付いた。

『目を閉じるな』という俺からの指示にも逆らわないでいる明日美にさらに要求してみたくなった。

「明日美も……吸って」

素直に俺の舌を唇で挟み込んでくる明日美が可愛くて滅茶苦茶にしてしまいたい衝動に駆られる。

ところが、今日の明日美はいつも以上に積極的だった。

俺の口内を拙い動きで攻めてくる。

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