いつも、ずっと。
運動会が終わり、ホッと一息つけるかと思いきや。

次の土曜日には宿泊学習の下見に行くことになった。



「夏休みに入る前にシミュレーションしとかんばでしょう?登山のコースも確認せんばいかんし。梅雨に入る前に行きましょう!今度の土曜日に一泊で」



学年主任の江川先生から告げられた。



「泊まりですか?でも急に決めて予約とれますかね」



「御子柴先生、まさか彼女とデートの約束でも?運動会の準備で忙がしかったけん気持ちは分かるけど、こっちも大事。ほら、日曜日は遅くとも夕方くらいには帰れるやろうけん。もう予約入れたし」



仕事より彼女を優先なんて、出来るわけない。

まあ彼女って言っても今の偽者彼女には一ミリも興味ないけど。

ダブルデートの日に脅されて契約を交わす羽目になったけど、あれ以来なんの音沙汰もなし。

ていうかお互いの連絡先すら知らない。



しかし明日美に会いたくてたまらないというのが俺の本音。

俺から連絡できないのなら、偶然会ったフリで待ち伏せするとか策を練りたいのに。

ストーカーみたいだけど。



疲れて眠ると禁断症状で明日美の夢ばかり見る。

会えるのは夢の中だけ。



そして土曜日。



宿泊学習の場所、日吉自然の家へ。

今日の参加者は五年生の担任三人と教頭先生。

まずは宿泊施設を案内してもらい、当日のスケジュール確認をしてから登山の下見へ。



担任三人は案内人役の方と一緒に、烽火山(ほうかざん)トレッキングに向かった。

生徒たちが安全に登山ができるように、危険なことがないか確認しておく必要がある。

大人の慣れた人なら二時間から二時間半くらいで歩くコースらしいけど、今回は安全確認が目的だったから三時間くらいかけて歩いた。



そのあとの昼食は飯ごう炊飯と手作りカレー。

宿泊学習は二泊だから登山とカレー作りは別の日だけど、今回の下見は一泊しかしない。

かなりハードスケジュールだ。



昼食後は夜のお楽しみ、肝試しやゲーム大会の打合せ。

シミュレーションや、安全確認など、やらないといけないことはいくらでもある。

宿泊学習当日にハプニングが起こることも考えられないわけではない。

あらゆる場合にも対応できるようにしておかないと。



夕食の後にも肝試しのコースを実際に歩いてみたりして、ゆっくりできたのは夜の九時頃だった。



疲れた……。



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