いつも、ずっと。
思い出した。
あのおぞましい記憶が甦り、鳥肌が立ちそうになった。
まさか明日美に見られていたなんて。
「あの時俺は雨の降りよることに気付いて、なかなか戻らん明日美と瀬名のことが気になっとった。そしたら突然青柳さんが俺に抱き付いてきてさ。当然のごと振り払おうとしたけど『我慢して』って言われて動けんかった。やっぱりあの時の俺、平常心じゃなかった」
「本当に?ちょっとはドキドキしたんじゃなかと。だって未来みたいに可愛か女の子に迫られてさ、二人きりの空間で……」
冗談じゃねーよ。
俺と青柳さんでそうなるわけがない。
それだけは胸張って言える。
「明日美はあの場面だけ見て誤解するとは仕方なかと思う。青柳さん、明日美が戻ってきたとに気付いてわざと見せつけるためにしたとやろうな。でも知らんかったとはいえ、明日美に嫌な思いばさせたとは悪かった。ごめん!」
俺は自分の浅はかさを改めて思い知る。
知らず知らずのうちに明日美を傷付けて、そのことに今の今まで気付かずにいたなんて。
「明日美が『瀬名と付き合う』って言うとば聞いただけで瀬名ばぶん殴りたかったもんな俺。バカ野郎ばい」
もう、正直に言うしかない。
「俺、前にも明日美に言うたことのあると思うけど。明日美以外の女には興味なかし。二人きりになるとも本当は気乗りせんかったけど、青柳さんに瀬名だけはやめろって忠告したかった。まさかあがんことになるとは予測できんかったけどな。抱き付かれたとは不快でしかなかったし、俺にとっては不慮の事故みたいなもんやった。だけん俺の記憶から抹消しとったとやろうと思う。明日美から言われるまでまったく思い出せんかったし。なんかいろいろごめん……」
「そ、そうね……。そういうこと……」
一応納得はしてくれたようだな。
"抱き合っていた"なら大問題だろうが、"抱き付かれた"だけだし。
しかしもしも明日美が瀬名にちょっかい出されたとしたら、俺だって正気ではいられないだろう。
もう二度と同じ過ちを繰り返さないと心に誓う。
「そうだ、ずっと気になっとった。瀬名くんといつからそんがん仲良くなったと?私の知らんところで連絡取り合ったりして。ダブルデートから?」
俺と瀬名の馴れ初めか。
ダブルデートよりも前からだと言えば驚くだろうな。
でも昔から存在くらいは知っていたし。
あのおぞましい記憶が甦り、鳥肌が立ちそうになった。
まさか明日美に見られていたなんて。
「あの時俺は雨の降りよることに気付いて、なかなか戻らん明日美と瀬名のことが気になっとった。そしたら突然青柳さんが俺に抱き付いてきてさ。当然のごと振り払おうとしたけど『我慢して』って言われて動けんかった。やっぱりあの時の俺、平常心じゃなかった」
「本当に?ちょっとはドキドキしたんじゃなかと。だって未来みたいに可愛か女の子に迫られてさ、二人きりの空間で……」
冗談じゃねーよ。
俺と青柳さんでそうなるわけがない。
それだけは胸張って言える。
「明日美はあの場面だけ見て誤解するとは仕方なかと思う。青柳さん、明日美が戻ってきたとに気付いてわざと見せつけるためにしたとやろうな。でも知らんかったとはいえ、明日美に嫌な思いばさせたとは悪かった。ごめん!」
俺は自分の浅はかさを改めて思い知る。
知らず知らずのうちに明日美を傷付けて、そのことに今の今まで気付かずにいたなんて。
「明日美が『瀬名と付き合う』って言うとば聞いただけで瀬名ばぶん殴りたかったもんな俺。バカ野郎ばい」
もう、正直に言うしかない。
「俺、前にも明日美に言うたことのあると思うけど。明日美以外の女には興味なかし。二人きりになるとも本当は気乗りせんかったけど、青柳さんに瀬名だけはやめろって忠告したかった。まさかあがんことになるとは予測できんかったけどな。抱き付かれたとは不快でしかなかったし、俺にとっては不慮の事故みたいなもんやった。だけん俺の記憶から抹消しとったとやろうと思う。明日美から言われるまでまったく思い出せんかったし。なんかいろいろごめん……」
「そ、そうね……。そういうこと……」
一応納得はしてくれたようだな。
"抱き合っていた"なら大問題だろうが、"抱き付かれた"だけだし。
しかしもしも明日美が瀬名にちょっかい出されたとしたら、俺だって正気ではいられないだろう。
もう二度と同じ過ちを繰り返さないと心に誓う。
「そうだ、ずっと気になっとった。瀬名くんといつからそんがん仲良くなったと?私の知らんところで連絡取り合ったりして。ダブルデートから?」
俺と瀬名の馴れ初めか。
ダブルデートよりも前からだと言えば驚くだろうな。
でも昔から存在くらいは知っていたし。