いつも、ずっと。
「明日美、まだ他にも聞きたかことあるやろうけど、このまま続けよったら夜ば明かしてしまいそうやけんさ。多分明日美が一番知りたかったこと、教えるけん」



俺たちの関係がくずれてしまったダブルデートから約二ヶ月。

まだ誤解は完全には解けていないだろう。

だけど途中で途切れたままの告白が胸にくすぶったままなのが気になって仕方がない。



「未来に知られてしもうた友也の秘密?それば私にバラされたくなかったけん未来と付き合うフリばせんばごとなったとよね。瀬名くんも知っとったみたいやし、私だけ知らんってなんか嫌やったと。だけんどうしても友也の口から聞きたかった」



そうだな。

これは他の誰からでもなく、俺から明日美に伝えないといけない。



「俺には昔から自分の人生についての理想っていうか、プランみたいなもんのあって。その人生プランば忠実に守ろうと必死やった。それで今からそのプランの中の一つば実行したかと思うとるとけど……。よかかな?」



「ふえっ!実行するって…………なんば?」



ああそうか、明日美はまだ知らないからそういう反応になるのか。

ここは説明より実行するしかない。



「明日美……。もう一回言うけど、俺は明日美のことが好きだ。初めて公園で会ったあの日からずっと。この二ヶ月、明日美と一緒におられんごとなってしもうて辛かった。自業自得とはいえ、俺はなんのために生きとるとか分からんごとなっとった。明日美がそばにおってくれんば生きていかれんばい俺は。だけんもう二度と離しとうなか。明日美……け」



「とっ、友也っ!あ、あのねっ!!」



な、なんだなんだ。

また寸止めされた?

勘弁してくれんかな。



「ごめんけど今大事かとこやし、もうちょっと待っとってくれよ。だけんな、俺は明日美と生涯添い遂げたかって思うとる。だから俺と」



「わ、私のこと、もらってくれる?」



……………………へ?



「私ね、ずっと憧れとった。偽者彼女からいつかは本物の彼女になれる時が来るって期待しとった。いつまで待てばよかとかなって……不安やった。でももう待たんでよかとやろ?」



俺は明日美にどれだけ我慢させていたんだ。

周りのみんなには公認の彼女だと言っても、明日美にとっては偽者彼女なんて不安な思いをさせてたんだ。



「友也、大好き。私を友也のお嫁さんにして!」



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