キミのいる世界があまりにも美しくて
彼女がいるのはこの街で1番大きい病院、ささらぎ病院だ。


あまりの大きさに、昔彼女は『真っ白なお城』なんて言ってたっけな。


最先端の技術が揃ってて、更に院長は医療界では知らない人はいないほどの名高い先生なんだとか。そのおかげもあってか入院患者も多い。


俺はナースステーションにいる看護師に顔を見せ、彼女の病室へと向かった。


向かっている間に彼女の出頭医である先生とすれ違ったので頭を下げる。先生はいつものにこやかな笑顔で会釈を返してくれた。


俺は扉の前に立ち、103号室と書かれた下に“金城沙良”の名前があることを確認して少し重たい扉を開けた。
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