目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。

買い物

ちょうど、私と三国さんの話が終わる頃に、蓮司さんが2階の書斎から降りてきた。

「ごめんな」

リビングのソファに座る私を見るなり彼は謝った。
でも、三国さんとのお喋りが楽しかった私には、なんてことない。
もう少し遅くても良かったくらい……と言いかけて慌てて言い直した。

「だ、大丈夫です。それより、蓮司さんの方こそお仕事、本当は忙しいんじゃないですか?」

三国さんに書類を手渡しながら、蓮司さんはニッコリと笑った。

「いや、正直俺がいなくても、三国さんがいればほぼ問題はないんだよ。だから、心配はしなくていい」

「そうですよ。私に任せて奥様は社長とゆっくりなさって下さい」

そうですよ……って。
三国さん、暗に社長がいなくても問題ない、ってことを肯定しましたね!
そして、蓮司さんはそれに気づいてないのか、うんうんと頷いていらっしゃる!?
この2人の関係って、何か時代劇の殿様と家老みたいで面白い、と思わずクスッと笑ってしまった。
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