目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。
「さ、着いたよ」

彼に促され車中から見上げると、目の前にあったのは真っ白な建物だ。
外観は憧れていたサントリーニ島の建物のよう。
あれ?どうして私、サントリーニ島に憧れてたんだっけ?
疑問に思ったのも束の間、その素晴らしさにポカンと口を開けていた。

「どうした?」

不思議そうに彼が聞いてくる。

「え?あ、うん。すごいね……きれいで、感動しちゃって……」

「……良かった。実はね、百合の為にサプライズで建築してたんだけど、思ったより工事が長引いてね……まぁ、造りが珍しいだけに、ね?」

「え!?」

申し訳なさそうに言う彼に、私の口は更に開いた。
なんか、今、すごいこと言わなかった、この人?
私の為にサプライズ……聞き間違いじゃなかったら、確かそう言ったような?
……確認してみようか?

「私の為に?サプライズで?」

「そうだよ」

控え目に小声で聞くと、彼は大きく頷き肯定した。
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