目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。
「あ、百合さんー?どうしたの?腹痛?」

呑気な声で話しかけてきたのは、柾さんだった。

「こんにちは、柾さん」

と挨拶だけ返すと、すかさず蓮司さんが要らない説明を加えた。

「百合はね、ケーキを食べ過ぎて胃が重いんだって」

「恥ずかしいから黙ってたのに、何で言うのよー?」

「あ、そうなんだ。知られたくなかったったんだな。ごめん」

蓮司さんはテヘッという効果音が聞こえそうな顔で笑った。
……イラッとするんですけど?
胃も何だかムカムカするし、気分もイライラ。
それが、蓮司さんのせいなのかはわからないけど、イラッとしたのは彼のせいで間違いない!
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