目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。
「あはは、食べ過ぎるほど美味しいものがあったなら良かったじゃん!まぁ、無理しないで」

「ありがとう。で、柾さんは……」

今日はどうして?という質問は、彼の手に持っていたものでわかったので、声にしなかった。
柾さんは、注文していた絵画を持ってきてくれたのだ。

「これ、額が届いたから入れたんだ。とてもいい出来だよ?」

柾さんは自身の傑作にご満悦のようで、私もワクワクしながら覗き込んだ。
とても豪華な銀の額縁に入れられた絵画は、ギャラリーで見たときよりも、発色が明るい。
それは、サントリーニ島で見た昼の光に良く似ていた。
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