目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。
そして百合が大学を卒業した4月上旬、念願の結婚式を挙げた。
百合は人前に出るのがあまり得意じゃない。
そんな彼女に、結婚式は出来るだけ地味にして欲しいとお願いされた時は、正直つまらないと思った。
百合はどんな格好をしていても可愛いが、たまには美しく着飾った姿も見てみたい。
何度も何度もお色直しさせて、どうだ、俺の妻はこんなに可愛いんだぞと自慢したい!
だが、舞い上がっていた俺は、その時ふと我に返った
……いや、それはダメだ。
何で、百合をわざわざ人目に(特に男の目に)触れさせないといけないんだ!?
考えを改めた俺は、百合の願い通り出来るだけ簡素な結婚式に納得したのだ。
式は神前式に決めた。
挙式は昔から懇意にしてもらっている神社で行い、そこから遠くない旅館を貸し切ってちょっとした披露宴をする。
呼ぶのは親族か親しい友人に限定し、仕事関係の人には改めて挨拶状を送ることにした。
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