目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。

「じゃあ今日は非番ですか？」

制服を着ていないと、警察官だとわからないもんね。
だから、非番かと思って聞いたんだけど、良く考えたら非番でスーツ着てるなんてそれはすごく変なのでは？
私の疑問に二宮さんはゴクリと息を呑みじっと蓮司さんを見た。
また、窺っている！？
そんな二宮さんを見て、蓮司さんはため息をついた。

「はぁ……百合。こいつは……刑事だよ……」

「け、刑事！？」

あの、テレビでしか見たことのない刑事！？
あの、サスペンスドラマに良く出てくる刑事！？
目を丸くする私の顔を見て、二宮さんが、あはは、と頭を掻いた。

「わぁ。私刑事さんって初めて会います。あ、二宮さんとは会ってたんでしたっけ？」

「いや、大学を卒業してから会ってないと思う。それから教授の葬儀でチラッと顔を見たくらいか。ちょうど結婚式の時は仕事があって行けなかったから」

二宮さんは、晴れ晴れとした顔をして言った。
言葉を濁さなくていいのがよっぽど楽だったのか、もう立て板に水の如く、すらすらと言葉が出てくる。
それなら、どうして最初から刑事だって言わなかったのだろう。
まぁ確かに警察官と刑事じゃ、少し対応が変わってくるわよね？
いきなり刑事さんが来たなら、何も悪いことしてなくても一瞬ドキッとしてしまうもの。