目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。
「そうでしたか。でも、蓮司さんの友達に刑事さんがいるなんて驚きです」

「俺も教授の葬儀でコイツに会うまで知らなかったんだ。警察官になったのは知ってたけど、そこからまさか刑事なるなんてな」

私と蓮司さんは顔を見合わせた。
それを見て、また二宮さんが恥ずかしそうに頭を掻く。

「じゃあ今日は蓮司さんに会いにこちらへ?」

「う、うん。百合ちゃんの様子も気になったし、ね?」

……あら?さっきまで饒舌だったのに、どうして今、言葉に詰まったの?
暫く考えて、私は一つの仮説を立てた!
二宮さんは、嘘を付くのがめちゃくちゃ下手なのでは!?
いや……でもそれは刑事としては致命的よね。
取り調べで、容疑者との駆け引きが重要になると思う……のはテレビの見すぎなのかな?
だけど、二宮さんは私が見つめれば見つめるほど、じわりと額に汗を滲ませる。
それが面白くて悪のりし、更に近くで見つめると口の端がぷるぷると震えだした。
あー、もうこれ、決定ね……そう思った時、蓮司さんが私に言った。
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