目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。

パン屋から５分ほど歩き、お土産物屋さんの幟を左に曲がると、細い小路に出る。
それを真っ直ぐ行くとやがて下りの狭い階段が現れた。

「この下だ。階段、気を付けて？」

彼の差し出した手を取り、急な坂をゆっくりと下る。
すると、坂の途中に壁の側面に蔦の絡まったギャラリーがあり、手を引かれ中に入った。
絵画特有の匂いと、一定に保たれた室温。
およそ１０坪の室内は４つに仕切られていて、余計な装飾はなく、絵をより美しく見せるために白一色で統一されていた。