目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。
まず始めに、ホームページを開いてみたけど、そこに欲しい情報はなかった。
載っているのは求人情報や業績等だけで、肝心の社長の写真などはない。
代表取締役社長の名前は一色蓮司で間違いないようだ。
でも見たいのは顔写真。
免許証も見せてもらっておいてなんだけど、やっぱり本人かどうかは確かめたい。
でも、昨今個人情報云々で、顔出しも厳しいのかもしれないな、と次は名前で検索をかけることにした。

『一色蓮司』

そう打ち込むと沢山の情報が出た。
とりあえず上から閲覧してみると、どこかの外国の人と笑顔で握手をしている写真が出てきた。
一色製薬社長一色蓮司と、アメリカのイルディスコークスという研究所の所長らしい。
そして……その一色蓮司の少し後ろに、私は……『私』を発見してしまった。
記事に名前などは書かれていなかった。
だけど、確かに私は彼の側に(かなり控え目に)写っていたのだ。
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