頑張る
時間割を確認すると体育があることに気づく。休みたいけど、変に注目されるのも嫌で、かといって、参加して倒れるのもまずい。どうしようかと迷っているうちに、始まってしまった。体力測定をするみたいで、校庭で50メートル走らしい。とりあえず、怪しまれない程度に手を抜いて走るも、砂埃も相まって、走り切った後は息が苦しい。1人クラスの人達から離れて息を整える。吸入をして、なんとか体育はやり切ったものの、息苦しさは悪化して、その後の授業中は座っているのも辛くなってきた。幸い、5時間の授業で帰ることができたので、帰り学活後すぐ教室から出たのだが、自分でもわかるくらい、喘鳴が酷くて、とうとう歩くのが辛くなってきた。帰れそうになくて、保健室かどこか休める場所を探していると、階段を降りている途中で限界を迎えた。人通りが少ない階段を使ったため、静かで自分の呼吸だけが聞こえる。落ちないように手すりに捕まっている手は離さないようにして、階段の真ん中あたりでそのまま重力に負けるかのように、ズルズルとしゃがみこんだ。ここまで酷いのは久しぶりで、自分で対処が難しくなってくる。
ゲホッゲホッゲホッ…ゲホッ
だんだん意識が薄れてきて、ぼんやりしてきた。眠ってしまえば、この苦しさからも解放されるかも。段差に座っていたが、座位を維持するのもキツくなってきて、手すりを握っていた手を離してしまった。崩れるようにして、体が前のめりに落ちる。
「おい⁈澪!」
意識が落ちる前に聞こえた気がした。
ゲホッゲホッゲホッ…ゲホッ
だんだん意識が薄れてきて、ぼんやりしてきた。眠ってしまえば、この苦しさからも解放されるかも。段差に座っていたが、座位を維持するのもキツくなってきて、手すりを握っていた手を離してしまった。崩れるようにして、体が前のめりに落ちる。
「おい⁈澪!」
意識が落ちる前に聞こえた気がした。