僕たちの思いが届けばいいのに
噂
「ねぇねぇ!知ってる?
うちの高校暗黙の了解で部活ないじゃん?」
「そんなの当たり前だよ。」
「なのに秘密裏に部活やってる生徒がいるんだって?」
「えー!でも、今までそんな噂聞いたことないよ?」
「それが、去年全国大会まで行ってたんだって。」
「なんの部活?インターネットで調べられるんじゃない?」
「それが、全国大会って言っても公開されないらしいよ。同じ業界の人しか知らされていないみたい。」
「そんなの益々気になる!」
「じゃあ探ってみる?」
「そんなの無理だよ。毎日ある小テストに日々追われてるし。物理的に探る暇があったら勉強するわ。」
「だよねー。じゃ話はそれまでだね。」
「うん。悔しいけど仕方がないね」
入学式当日。
(噂話をしている上級生発見!これはいいネタ掴めた。あいつが聞いたら喜ぶだろうなぁ。 )
メガネをかけ直して盗み聞きしていた少年は笑う。絶望していた少年にとって蜘蛛の糸のような情報だと感じた。