熱い夜に溺れて
ニコニコと楽しげにローデリヒさんは言う。私は暴れることもできず、ただ大人しくローデリヒさんの腕の中にいた。

「君を一人だけバーに入れたのも、今日の計画を成功させるため。うまくいってよかったよ」

意識を失う瞬間、ローデリヒさんは幸せそうに微笑んで私のおでこに口付けた。



目を覚した時、ズキンと頭が痛んだ。お酒を飲むのは給料日の日だけのため、アルコール度数の高いものを頼んでしまうといつも頭が痛む。

目を開けると、見慣れない天井が広がっていた。重い頭を慎重に起こし、自分のいる場所を見回す。全く見知らぬ部屋に私はいた。

私が寝かされているのは、柔らかい羽毛布団のふかふかなベッド。なぜかダブル。そして、部屋にはクローゼットやドレッサー、本が何冊か入った本棚が置かれている。そして部屋の出入り口の他にもう一つ扉が……。

「何かしら……」

私がベッドから起き上がろうとすると、ジャラッと足元で音がした。足を見ると、頑丈そうな黒い枷が嵌められている。私の行動はベッドにつながれた鎖によって制限されていた。
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