俺様紳士と甘えた彼とのハッピーエンドの選び方



 これで兄にもお礼が出来ると思っていた。
 葵羽は、それを目標にやってきたのだ。あの思い出の小さな神社を綺麗にするのもいいな、などいろいろと考えていた矢先に、光矢が恋人が出来た。とても綺麗で華やかな女性だった。光矢は彼女に惚れ込んでいるようで、とても幸せそうにしていた。

 結婚をするという話しも出ており、兄が幸せになるならと、葵羽も弟の日和も賛成をしていた。そして、結婚の費用は大学のお金を出してくれた兄に代わり、少しだけでも出させて欲しいと葵羽は言うと、2人は迷いながらも、その申し出を受けてくれた。婚約者である光矢の彼女が「そんな大金……お仕事は?」と聞かれた。音楽関係しか言っていなかったので、「楽曲提供などをしているんです。」と、有名アーティストやアイドルの名前を出した途端、その彼女の表情が一瞬固まったのだ。すぐに「すごいわねー!」と言ってくれたが、葵羽には妙な違和感を感じたのだ。






 その葵羽の勘は当たってしまった。
 それも、最悪な方に………。




< 119 / 229 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop