俺様紳士と甘えた彼とのハッピーエンドの選び方



 「………そんな物欲しげな表情は、駄目ですよ」
 「そ、そんな顔してましたか?!」
 「はい、してました」
 「………それは、その………」
 「さっき、あなたが教えてくれた本当のあなたの気持ち。それは私もおなじです」
 「え………」
 「私もあなたと会った後はいつも帰したくなかった。自分のものにしたくて仕方がなかったのですよ?………私は、裏の顔がいくつもありますね」


 苦笑しながら、彩華の額に小さくキスを落とした。彩華は頬を染めた。
 彼も自分と同じように、自分を求めてくれていた。それがとても嬉しかった。


 「彩華さんは今日は帰らない、でいいのすよね?………私に全部をくれますか?」
 「…………はい」
 「それは良かった」


 恥ずかしい会話をしているのはわかった。
 けれど、その恥ずかしさに負けて本心を言わないでしまったらば後悔すると彩華は思った。
 彼の言葉に肯定の返事をして頷く。


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