俺様紳士と甘えた彼とのハッピーエンドの選び方



 すると、葵羽は彩華を抱きしめたまま、大きなソファに彩華を押し倒した。それと同時に彩華にまたキスを繰り返す。けれど、それは今までに感じた事のない深く激しいキスだった。
 葵羽の口や舌、唇の感覚を感じながら、全身が熱くなる。口が深くなった事で、彼の体がピッタリとくっついてくるのがわかった。
 静かな部屋に荒い呼吸と、お互いの唾液が絡む音が響く。聴覚も、彩華を興奮させているようだった。


 「……っっ………葵羽さん………」


 彼の手が胸に触れた途端、彩華はビクッと体を震わせた。
 わかってはいた事だ。
 唇だけでは終わらないことを。それを望んでいたのも彩華。
 けれど、キスだけでいっぱいいっぱいに快感を感じていた彩華は、これからどうなってしまうのだろうと、怖ささえも感じてしまった。

 緊張しながら彼の胸に置いていた手が強く握りしめられ、葵羽の服を掴んだ。
 すると、それに気づいた葵羽が、キスを1度やめた。けれど、彩華の首筋をペロリと舐める。彩華は「………ぁ………」という、人には聞かせた事のない甘い声を上げてしまう。

 すると、葵羽はとても嬉しそうに笑みを浮かべた。


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