俺様紳士と甘えた彼とのハッピーエンドの選び方
「彩華さん、もう1つ私には裏の顔があるみたいです。……少し意地悪したいな、と思ってしまう男の悪い顔が………」
「それは、少しわかってました………」
「そうでしたか。それでは、遠慮はいりませんね」
「え………」
葵羽は、そういうと彩華の耳元に顔を近づけて、とても低い声で囁いた。
「ベットに行きましょう。そこで、あなたの全てを私に見せて………甘い顔も、とろけた瞳も……ずっと見たい、触れたいと思っていた肌も。そして、見た事もないあなたの表情を私にみせてください」
甘い甘い誘惑の声。
彼の表情は真剣な中にも熱をもっているのがわかった。
頷く事しか出来ない。そう思ってしまいそうだったけれど、彩華は震える声で小さく言った。
「葵羽さんの事も全部見せてくれますか?必ず、裏の顔のあなたも好きになります………」
「………後悔しないでくださいね」
「はい」
そう言うと葵羽はソファに横になっていた彩華を抱き上げた。いつもは子どもを抱き上げている方だが、大人になってからこうされると怖いと思ってしまい、咄嗟に彼にしがみつくと、「可愛いですね」と、葵羽は嬉しそうに笑った。