俺様紳士と甘えた彼とのハッピーエンドの選び方
葵羽がゆっくりと歩いて連れていってくれたのは寝室だった。大きなベットの向かい側には、立派なオーディオが置いてあり、普段自宅にはないような大きなスピーカーも設置されていた。彼らしい寝室だな、と冷静に考えながらも、彩華の鼓動はどんどん早くなっていく。
彩華をゆっくりとベットの上に下ろすと、葵羽はそのまま彩華を見下ろしながらベットに膝をつけた。
そして、熱くなった指で彩華の頬に触れる。それが心地よくて彩華はつい目を細めてしまう。
「お望み通り、沢山私を知ってください。その対価はもちろん、彩華さん自身です」
「………はい」
「………いや、対価はいらない……いつでも私を求めて欲しいです。それは私にとって幸せな事なんです」
「じゃあ、沢山キスしてくれますか?」
「もちろん。でも、恥ずかしいって言わないで、全部私に見せてくださいね?」
「え、それは………」
「ダメです。恥ずかしがっても見せてもらいます。隅々まで、そしてあなたの奥深くまで………ね?」
彼の言葉はとても妖艶で、彩華は一気に体がきゅんとしてしまう。
葵羽が彩華の体に唇を落とし、服を脱がせながら、ゆっくりと彩華を誘導するように優しく触れる。気づくと服を下着を脱がされていた、という状態だった。
全てが初めての感覚で、彩華は葵羽に翻弄されながらも甘い快楽に溺れていく。
彼の少し意地悪な言葉と裏腹な指や体の動き。そんな紳士的だけど男らしさがある彼に、ますます夢中になってしまう。
彩華は、そんな予感を感じながら、初めの濃厚な甘い時間を葵羽と過ごした。
涙が溢れてくるぐらいに幸せな夜だな。
彼を感じながら、彩華はそう心から思った。