俺様紳士と甘えた彼とのハッピーエンドの選び方
「………彩華さん?………まだ、外は真っ暗ですよ」
「あ、あの………起こしてしまってすみません……今、何時かなと思いまして」
「えっと………まだ4時半ですよ」
そう言って葵羽は彩華の腕を引いて、自分の元へと戻そうとする。彩華はそれが嬉しくて、微睡みの中の彼の胸にまた抱きついた。
「何時からお仕事ですか?職場まで送りますので、それまでゆっくりしててください」
「……葵羽さんは寝ていてもらっても…………」
「私がギリギリまで一緒に居たいのです。ダメですか?」
「………ありがとうございます」
彩華の返事を聞くと、満足そうに笑みを浮かべながらまた目蓋を閉じた。
彩華はその彼の寝顔をジッと見つめる。髪と同じ色の長い睫毛がとても綺麗で、寝ている姿を綺麗だなと思ってしまう。そんな彼が自分の恋人になったのだと思うと不思議な気持ちだった。
すると、葵羽はゆっくりと目蓋を開き、彩華を見て苦笑する。