俺様紳士と甘えた彼とのハッピーエンドの選び方
葵羽ルート エピローグ
葵羽ルート エピローグ
その日は朝から雪が舞っていた。
大人になってからは、雪が降っても喜べなくて、子ども達が夢中になって遊ぶのを見ながら楽しそうだなーと思い見ているだけだった。もちろん、一緒に雪だるまを作ったり、雪合戦をしたりと楽しんだりする。
けれど、こうやって雪が降っているのを窓から見て「綺麗だな」と、景色を楽しむ事などほとんどなかったように思えた。
「彩華さん、窓の近くは寒いですよ?」
「あ………葵羽さん」
背中にふわりと温かい体温を感じる。
葵羽が後ろから抱きしめてくれたのだ。
彩華は後ろを見上げながら名前を呼ぶと、葵羽はとても嬉しそうに笑った。
「準備を終わらせないと。明日はクリスマスイブですよ」
「ごめんなさい。雪がまた降ってきたので、つい見てしまって」
「積もるほどではないので、よかったです。明日の朝にはどんな景色になっているのか、楽しみですが」
葵羽はそう言って窓の外を見つめた。