俺様紳士と甘えた彼とのハッピーエンドの選び方
祈夜のキスの嵐が終わった後。
彩華は体から力が抜けてしまったのか、彼に寄りかかるように体を預けていた。全身がポカポカしている。緊張していたはずなのに、体の力が抜けてしまっているから不思議だ。
そんな彩華を祈夜は優しく抱きしめてくれる。それがまた彩華は嬉しかった。
「なぁ、今日は帰らないだろ?」
「………ここに居てもいいの?」
「あぁ。ずっと居てくれ………あ、でも!」
「何?」
「………帰らないの意味はわかってるよな?」
「………わかってるよ」
「ならいいけど」
何となくムードがないような気がしてしまうけれど、彩華にとってはそれがまた彼らしくて笑みがこぼれる。
付き合ってすぐにそういう関係になるのはよくないのかもしれない。けれど、彩華の気持ちはもう彼に抱きしめられているうちに決まってしまった。
もっともっと、祈夜を感じたい。
ただそれだけだった。