俺様紳士と甘えた彼とのハッピーエンドの選び方
その日から、彩華は祈夜とよく会うようになっていた。職場から彼の家や店が近い事もあり、彼が仕事終わりの彩華に会いに来てくれるようになったのだった。
祈夜は年下とは思えないぐらいに、とても頼れる存在で、とてもしっかりとしていた。
初めてのデートは「俺が考えるから。とりあえず、動きやい格好で来て欲しい」と言われた。当日、彼はコンパクトカーで彩華を迎えに来た。小さい車かもしれないが、それが高級車だというのは彩華にはわかった。
車に乗ると、まずは膝掛けを貸してくれ、そして「ホットコーヒーあるから飲んで」と、カフェで買ってきたのだろう蓋付きの紙コップを渡してくれる。至れり尽くせりの対応に、彩華は申し訳なく思ってしまう。
そして、連れてきてくれたのは大型のテーマパークだった。
彼は人混みなど嫌いなのかと思っていたが、「彼女が出来たらクリスマスシーズンにここに来てみたかったんだ」と、目を輝かせて言った。祈夜の意外なロマンティックな性格を知り、彩華は嬉しくなりながら彼とパーク内を歩き回った。
至る所にクリスマスツリーやサンタの装飾があった。大きなツリーで写真を撮る人や、赤い帽子を被ったスタッフが風船を配ったりと、パーク内はとても賑やかになっていた。
彩華と祈夜は手を繋いで、パーク内の乗り物に乗ったり、買い食いをしながら歩いたりと恋人になってから初めてのデートを楽しんでいた。