俺様紳士と甘えた彼とのハッピーエンドの選び方



 「彩華、寒くない?夕食はどこかに入ろうか?」
 「夜は寒くなりそうだし、中の方が嬉しいかも。じゃあ、レストランを予約しておくよ」
 「ありがとう」


 2人でレストランに向かい、無事に予約を済ませる、今度はショーを見に行こうとした。
 祈夜は朝から興奮した様子で、とても楽しそうな姿を見せてくれていた。そんな彼を見ていると、やはり年下なのだーと年相応な彼にホッとしてしまう。

 彩華が年上だからと、彼は頑張っているのではないか?そう思っていたのだ。
 いい大人の男性を目指してくれているのは嬉しかった。彩華を楽しませ、安心させてくれようとしているのだろう。
 けれど、彩華は祈夜は祈夜らしさを大切にしてくれればいいと思っていた。

 彼の好きな事をもっと知りたい。
 どんなところへデートしたいのか、どんな事をしたいのか。どんな食べ物が好きなのか。
 それを誰よりも知っていたいと思った。


 「………祈夜くん、楽しそうだね」
 「………そんなに顔に出ていたか?」
 「うん。ずっと笑っててくれるから、私も嬉しい」
 「俺もおまえが笑顔だから嬉しい」


 繋いでいた手を祈夜がギュッと強く握りしめてくれる。彩華も負けじと強く握り返す。
 そして、顔を見合わせて笑い合う。

 そんな、何て事はない出来事でも彼と一緒ならば幸せなのだ。それを実感した。



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