俺様紳士と甘えた彼とのハッピーエンドの選び方




 それから、月夜の店には平穏が訪れた。
 ホスト時代の月夜のお客の姿は疎らだったが、毎日賑わってはいたのだ。
 月夜がキレたという噂は客達の間であっという間に広がった。怖がるものや、怒ってもうこなくなった客も多かった。もちろん、彩華に怪我をさせたあの女性も月夜の前に姿を表す事はなかった。
 今でも、月夜の店に通っている女性は月夜に今までのマナー違反を詫びてそれでも来たいと話をした女性達だった。
 月夜はそんな彼女達の事をもちろん許し、店へと招いた。

 そこからは、何処にでもあるお洒落で落ち着いたレストランに戻ったのだった。
 

 彩華はあんな事があり、その店に行くのが申し訳なかったけれど、月夜からどうしてもと呼ばれて行くと、月夜やスタッフから最大に歓迎された。豪華な食事を頂き、「これからはいつでも遊びに来てね。彩華はいつでも僕が奢るから。あ、来ないと怒るからね」と、月夜に言われてしまったのだった。彼に怒られるのは、あれを見てからは怖いと思いつつ、時々顔を見せることを約束した。



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