俺様紳士と甘えた彼とのハッピーエンドの選び方



 そう言って、顔を赤くしながら祈夜は教えてくれた。恥ずかしそうにしながらも、少し得意気でその表情にはどこか誇らしさも見られた。


 絵を描く仕事なのだと彩華は思っていたけれど、漫画家とは思わなかった。彩華が受け取った紙には繊細で優しい色使いで描かれた女の子の絵があった。カラーイラストのようだ。


 「イリヤって名前でやってる。3年ぐらい前にデビューしたんだ」
 「すごい、すごいね!!こんな可愛い女の子か描けるなんて。漫画本とか出してるってこと?」
 「まぁ、漫画家だし」
 「見たい!祈夜くんの漫画本読んでみたい!」
 

 彩華が興奮した様子でそう彼に言うと、祈夜はまた困ったような微笑んだ。


 「…………普通なら、男が描くなんてって思うだろ」
 「………祈夜くん」


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