俺様紳士と甘えた彼とのハッピーエンドの選び方
「…………でも、今日すぐにやるとは思わなかった!」
「彩華が心変わりする前にやりたい。それに、今、このリビングの光が差し込む辺りがイメージ通りなんだ。」
そうやって、リビングのクーラーの温度を上げて、いそいそとソファの上にシーツを広げて場所を設定していう祈夜を彩華は少し不安になりながら見つめた。
まさか話をしたその日にやるとは思っていなかったので、彩華は緊張した面持ちで彼を見つめていた。
今からここで服を脱いで裸になり、彼に見られてしまうのだと思うと、体が火照ってくるのがわかった。彩華の熱い視線を感じたのか、準備が終わった祈夜は、彩華の表情を見て、あやすような笑みを浮かべた。
「………大丈夫?そんなに、不安?」
「………恥ずかしいし、本当に私でいいのかなって思っちゃった」
「おまえが良いって言っただろ?おまえのイメージの作品なんだから。俺はそんなつもりないけど、他の女がモデルの方がよかった?」
「…………それはイヤ。だから、やる」
「やってて疲れたり、イヤになったら言って」
「うん………」
「俺の準備は終わったから、彩華がいいタイミングで始めて」
「………うん」
祈夜はソファの目の前に、ダイニングにある背の高い椅子を持ってきて置いた。
彩華が恥ずかしくないように、後ろを向いてくれたので、彩華は小さく息を吐いた後に、着ていたニットやスカートをゆっくりと脱いだ。温かくしているとはいえ、脱いでいく度に肌寒さを感じた。下着姿になった後に、彩華は思わず手を止めてしまった。やはり、昼間の太陽の光りが入る中、目の前に愛しい人がいるという空間で生まれたままの姿になるのは抵抗があった。