俺様紳士と甘えた彼とのハッピーエンドの選び方
夜もすっかり深くなった時間。
彩華と祈夜は汗ばむ体同士をくっつけて、ベットに横になっていた。
彩華は昼間から焦らされていた熱をやっと受け止められて、頭がボーッとしてしまう。彼が彩華の事を腕で引き寄せて抱きしめてくれているので、祈夜の胸に頬を当てていた。彼の温かい体温と鼓動が聞こえて、彩華は安心しきってまたウトウトとしてしまう。
「………この指輪さ、彩華にカクテルを作った時からおまえには赤が似合うなって思ったから……赤い宝石がついた指輪にしたんだ」
心地いい沈黙をやぶった彼の言葉に、彩華は嬉しくなる。彼もカクテルをイメージして選んでくれたのだと知り、考えも同じなんだなと思った。
「やっぱり………似合うな」
「……本当?ありがとう」
彩華は右手の薬指を掲げて笑顔でそう言うと、手をヒラヒラとさせて宝石の輝きを見つめた。すると、彼も右腕を伸ばして彩華の手を包んでくれる。同じデザインの指輪が揃って赤く光っていた。それが嬉しくて、彩華はまた口元が緩んだ。けれど、それは隣の彼も同じだった。