俺様紳士と甘えた彼とのハッピーエンドの選び方
祈夜ルート エピローグ
祈夜ルート エピローグ
すっかり春になり、世間がゴールデンウィーク前で浮き足立っているこの日。彩華は平日の休みを利用して、祈夜の家に来ていた。
そして、朝からキッチンに籠り、テキパキと料理をしていた。いつもより種類も量も多いので、彩華はいろいろな事を考えながら、長い時間をかけて作り上げた。けれど、そうやって時間を過ごすことが楽しく、とても充実しているなと感じ思わず微笑んでしまう。
「楽しそうだな」
「あ、祈夜くん、お疲れ様」
祈夜はあくびをしながら作業部屋から出てきた。長い間仕事を続けていたので、大分疲れているようだった。
「彩華こそ、大変だっただろ」
「ううん。そんな事ないよ、楽しかった」
「だから笑ってたのか」
「ふふふ、そうだよ」
祈夜はダイニングのテーブルに並べられた料理を見つめながら微笑んでくれる。
「あいつらに食べさせるのは勿体ないな。俺が全部食べたい」
「祈夜くんの分でもあるんだし、それにお祝いだから、みんなで食べよう?」
「………彩華が作ってくれたんだ。仕方がないからそうする」
祈夜は料理の手を止めていた彩華の腰に手を回し、そして優しく引き寄せてくれる。一気に彼との距離が縮まり、思わずドキリとしてしまう。
「今日は泊まれる?」
「うん……泊まっていいの?」
「………早く一緒に住めばいいのに」
「嬉しいけど……祈夜くんは頑張り時でしょ?」
「………彩華が居た方が頑張れる」