俺様紳士と甘えた彼とのハッピーエンドの選び方
彩華は心配だった。
本当に彼は私と一緒になっていいのだろうか?まだ若いのだから、仕事のためにもいろいろな事を経験した方がいいのではと思ってしまう。けれど、それを祈夜に言う度に彼は嫌な顔するのだ。
「何回言えばいい?俺はおまえが大切で、守ってくたおまえを、今度は守りたいんだ。………彩華との日々が俺にとっては毎日が刺激的で、幸せな事だから………」
「…………祈夜」
「結婚しよう、彩華」
「え………」
同棲の話だと思っていたが、突然話が違う方向になり驚き、彩華は振り返って祈夜を見つめた。それと同時に彩華の顎を指で引き上げて、甘いキスを落としてくれる。
唇が離れると、肌を触れ合わせるように強く抱きしめてくれる。
「絶対に幸せにする。………俺と結婚しよう」
「…………はい」
彩華の言葉は、想いがあふれでて涙声になってしまう。けれど、その一言だけで精一杯だった。彩華は嬉しさのあまりに涙がながれ、言葉が出なかったのだ。
「泣くなよ………喜んで貰いたいんだけど」
「嬉しいんだよ………私、祈夜の奥さんになれるんだよね」
「左の薬指を予約してたんだ。それを貰っただけだ」
左手を2人で絡めると、祈夜は彩華の薬指にキスをした。
「俺達はこの手を繋いでから始まっただろ。………だかは、これからも、ずっと繋いでいよう。どんな時も」
「うん………ずっとずっと祈夜くんの手を繋いで歩いていきたい」
「あぁ………まぁ、俺たちなら何事にも、何とかなるだろ?」
「うん!」
彼らしいプロポーズの言葉。
思わず笑ってしまいそうになる。けれど、かっこつけなくても、シチュエーションがお風呂場でも、彼が居れば幸せなのだ。
彩華は、自分の左指を見つめた。
ここには、また彼とお揃いの結婚の印の指輪がはめられるのだ。
そんな日を夢見て、彩華は祈夜の温かい手をギュッと握りしめた。
(祈夜ルート おしまい)