俺様紳士と甘えた彼とのハッピーエンドの選び方
エピローグ 「分岐と決断の先には」
エピローグ 「分岐と決断の先には」
彩華は大きなため息をついた。
最近、仕事をしていない時は、落ち込んだままいつも考え事をしてしまっていた。
その原因は、葵羽と祈夜だった。
恋愛をした事もない彩華だったが、同じ時期に2人の男性から告白をされたのだ。
1人はずっと憧れていた、初めての好きな人。
もう1人は、偶然出会い、そして初めて告白してくれた人。
彩華にとって2人はとても大切な人になった。
愛する楽しさと苦しさ、愛してもらえる心地よさと不安を知った。
だからこそ、彩華はどちらかを選ぶ事が出来なかったのだ。
そして、彩華はどちらの告白も断った。
2人に自分の気持ちをしっかりと伝え、告白を断るとどちらも「答えは急がなくてもいい」と言われた。けれど、それは申し訳ない事であり、彩華は今は選べないと頭を下げた。
葵羽は「彩華さんの気持ちを優先しますが、気持ちはかわりません」と言われ、祈夜には「また会ったときに告白するから」と言われたけれど、彩華は逃げるように彼らから距離を置いた。
せっかく自分に好意を持ってくれたのに、最低な事をしているなと自覚はあった。けれど、どちらも選ぶことが出来なければ前に進めないのだ。