俺様紳士と甘えた彼とのハッピーエンドの選び方




 彩華は保育士としてこの神社の近くの保育園で働いていた。今年は3歳児クラスを1人担任で見ていた。活発で元気な子どもたちだったが、少しずつ自然に興味を持ってきており、散歩に行くのを楽しみにしていた。
 そんな子ども達と松ぼっくりを使って製作をしようと考えたのだ。
 そのため、20個近い松ぼっくりを探していた。子ども達が塗りやすいように少し大きめの物を探していたので、この神社の松ぼっくりは彩華の理想通りだったのだ。



 「誰かいないかな………勝手持って帰ったら失礼だよね」


 周りをキョロキョロと見るけれど、近くには誰もいなかった。どうしようかなと考えながらも、手の中の松ぼっくりを見つめて、どんな風に製作をしようか考えてしまう。


 「まつぼっくりがーあったとさー♪」


 彩華は考え事をしがながら、無意識に子ども達と一緒に歌っている手遊びを口ずさんでいた。絵の具を使ってうまく濡れるだろうか。何を着けたら可愛いかな。そんな事を考えていた。

 すると、彩華の後ろでカサッカサッと落ち葉を踏んで歩く音が聞こえてきた。
 彩華は、ハッとして声を止めてゆっくりと後ろを振り返った。

 すると、そこには白衣に青い袴を来た男性が立っていた。生まれつきなのか、薄い茶色の髪は光が当たると銀色に見え、とても神秘的な雰囲気だった。少し垂れ目な瞳からは、とても穏やかな雰囲気が伝わってくる。


 「松ぼっくり、好きなんですか?」


 柔らかい声だった。
 優しいその声に聞き惚れてしまい、彩華はその男性をぽーっと見つめてしまった。
 返事がないので、その男性は困った表情を浮かべていた。彩華は自分が呆然としてしまっていた事に気づき、立ち上がって「すみません」と頭を下げた。



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