俺様紳士と甘えた彼とのハッピーエンドの選び方
葵羽に憧れて、おしゃれまでして食事にまで誘おうとまでしてしまったのに。
頭の中では、違う男の人の事を考えてしまっている。
もちろん、葵羽の事を考えれば胸はきゅんとなるし、別れ際の事を思い出せば切なくなる。
あんなにも男性に興味がなく好きな人も出来なかったのに、どうして今は2人の男性について悩んでいるのだろうか。
不思議で仕方がなかった。
祈夜からのメッセージを見つめたまま、しばらく考えたけれど、彩華はどうしていいのか考えがまとまらずに、そのままスマホをテーブルに置いたのだった。
それから数日後。
彩華は葵羽の神社に向かっていた。
というのも、クラスの子ども達から「神社で落ち葉で遊びたいー!」とリクエストがあったからだった。
彩華は葵羽に会いづらくなってしまい、散歩先に選ばなかったが、子どもたちからの要望となると断る事など出来なかった。
けれど、子ども達がいれば緊張しないでは話せるかもしれない。そして、あの日の事を謝らなければいけないと思っていたので、訪れるのは調度いいと考えるようにした。
だが、少しずつ目的地である神社に近づいていく。彩華は神社が見えてきた辺りから、「今日は居ませんように」と心の中で祈ってしまっていた。