俺様紳士と甘えた彼とのハッピーエンドの選び方
「仕事帰りに寄ればいいだけだろ。飯食べにくるだけでもいいし、俺が好みじゃないなら、断ればいい」
「だ、だって………仕事帰りには寄れないから」
「は?何でだよ………」
「あの日みたいに綺麗な格好もしてないし………お化粧とかも派手に出来ないから。その………ね………」
彩華が必死に自分の思いを伝えようとあたふたしながら話すのを、祈夜はポカンてしながら聞いていた。
そして、その後「くくくっ」と突然笑い始めたのだ。
「え、何で笑うの!?」
「いや、だっておまえ、それ…………クククッ」
笑いが我慢出来ないのか、まだ笑っているが、祈夜の手は彩華を離すことはなかった。
彩華は彼が何故笑っているのか、わからずに彼が落ち着くのを白い目で見つめながら待っていた。
「もうっ!どうして笑ってたの?」
「俺に綺麗にしてる姿じゃなきゃ会いたくないなんて……少しは俺を意識してくれてるって事なんだなーと思って。何か嬉しくて笑えてきたんだよ」
「え、それは違うよ……」
「ち、違うってなんだよ……」
「……祈夜くんは、きっとおしゃれした私を見て声を掛けたんだろうなーって思って……仕事で化粧も取れちゃって、ヘトヘトになってるし。……別人だと思われるかなって」
「………そんな事ないだろ。今、おまえが歩いてるってすぐにわかったし、別に化粧してるしてないとか、服装とか俺はあんまり気にしない」
「………そ、そうなの?」
「今日の彩華も可愛いと思う」
「………っっ!!」
「あ、照れただろ?」
「照れてないよっ!」