俺様紳士と甘えた彼とのハッピーエンドの選び方
「話を聞く限りだと、どっちもいい人そうだよね。神主さんは大人の魅力ありそうだし、落ち着いてる感じがいいよね。バーテンダーの彼も年下だけど頼れる感じあるし、ぐいぐいくる感じはかっこいいよね」
「うん……………そうだよね」
どちらの男性も自分には勿体ないぐらいにいい人だ。どちらか選ぶなんて、そんな事をしてもいいのかと罪悪感を感じてしまうほどに。
けれど、彩華はあの日から頭に浮かぶことがあった。
それは葵羽の事だった。
葵羽と恋人になったら、どんなに幸せだろうか。車でまたあの高台に行って2人で夜景を見たい。彼の事をもっと知りたい。
お兄さんの話をした時に泣きそうな顔になったぐらいに悲しいことがあったのだろうか。
そんな彼を笑顔にしてあげたい。
葵羽と過ごしてみたい。
そう強く思うようになっていた。
「彩華。………あなた、もう結論は出てるんじゃない?」
「え…………」
「頭の中に浮かんでいるのは誰の顔?誰との未来を想像している?」
「それは…………」
「もう1人を断るのが申し訳ないと思っているならダメだよ。彩華に幸せになる権利がある。それに、彩華でなくても相手は他の誰かと幸せに生きる事だってある。どんな運命になるかはわからない。けど、まずは自分が幸せだと思うような選択をして。きっと、2人とも彩華の気持ちを受け入れてくれるわ。だって、どっちも彩華を愛してくれてるんだから………ね」
「…………うん。そうだよね……ありがとう」