俺様紳士と甘えた彼とのハッピーエンドの選び方
それからすぐに彩華は祈夜に連絡をした。
話したい事あるとメッセージを送るとすぐに返信がきた。「いつでも時間作れる。彩華が時間決めて」との事だったので、その日の夜に彼と会うことにした。
祈夜の店で話すことではないと思っていたので、待ち合わせ場所を駅の近くの喫茶店にした。彩華がその場所に行くと祈夜はもうすでに店におり彩華を待っていてくれて。
お互いにコーヒーを注文し、他愛ない話をした後、少しの沈黙が訪れた。
「あの………連絡した話の事なんだけど………」
「あぁ。もう決まった?彩華の気持ち」
「うん………あのね………私、葵羽さんの事が忘れられないの。初めての片思いだったから………その、好きって気持ちが抑えられなかった。だから、その祈夜の気持ちに答えられない。………ごめんなさい………」
彩華は気まずい気持ちもあったけれど、自分の気持ちを伝えるのだからと、彼の目をしっかりと見ながら彼に本当に気持ちを伝えた。
彼は無表情のまま彩華を見た後にボソッと言葉をもらした。
「片思いだったって、上手くいきそうなのかよ」
「…………うん」
「…………まじかー!!もう少し早く出会ってればよかったのかよ。………悔しいな」
祈夜は少し大きめな声を出したけれど、最後の言葉は独り言のように小さかった。