俺様紳士と甘えた彼とのハッピーエンドの選び方
葵羽に告白された日。
彩華は返事を待って欲しいとお願いした。
彼は普段の落ち着いた雰囲気とは異なり、熱烈にアピールしてくれたのだ。彩華は彼の男らしい1面を見てしまい、思い出すだけで体が熱くなってしまいそうだった。
彩華の気持ちを伝えた、葵羽は喜んでくれるだろうか?
返事を待っていてくれているのだから、不安などないはずなのに、彩華は自分への自信のなさから少しだけ怖くなってしまっていたのだった。
葵羽はその後もこまめに連絡をくれて、食事の場所も決めてくれた。嫌いなものなどはないか聞かれ、彩華が気兼ねなく来れるようにと配慮してくれたのか、ディナーではなく休日のランチを予約してくれた。
葵羽は紳士的なイメージがあったのでデートに誘ってくれる時は夜景の見えるレストランや料亭などではないかと思っていた。
行くレストランの場所の情報も添付してくれており、彩華が不安にならないようにしてくれているのが伝わってきて、その気持ちが嬉しかった。
そして、彩華の最寄り駅周辺のレストランだったため、現地で待ち合わせる事にした。
今回はカジュアルにニットのワンピースにローヒールの靴、ジャケットという服装でデートに行く事にした。気軽に来て欲しいと言う葵羽の気持ちを聞いて、その服装にしたのだ。
少し早めに店に到着したけれど、すでに葵羽は店の前で待っていてくれた。
黒ニットに、カジュアルな黒マウンテンジャケット、そして白のパンツという、今回もモノトーンな服装だった。白のストレートのズボンを着こなせる彼はやはりモデルのように素敵だなと、遠くから見ても惚れ惚れしてしまう。
「彩華先生っ」
彩華に気づいた葵羽はこちらに駆けてきてくれる。彩華も彼に向かって小走りで向かう。