俺様紳士と甘えた彼とのハッピーエンドの選び方
せっかくの新鮮な野菜なので、早めに食べた方がいいという事になり、数日後の彩華が平日休みの日に葵羽を招待する事に決まった。
野菜はその日のうちにいただき、彩華はメニューを決めたり、部屋の掃除をしたりと、デートの日まで忙しく過ごしていた。
デート当日の休日は、下ごしらいをしながら葵羽の事を考えていた。
まだ付き合い始めて短い期間だったけれど、彼はとても女性慣れしているなと思った。
彩華自身、男性と付き合ったこともないし、知り合いもほとんどいないため、葵羽が女性慣れをしている方なのか、というのも明確にはわからない。
けれど、デートのエスコートもとてもスマートであるし、葵羽の言葉、行動、そして視線などにドキドキしてしまう事が多かった。そして、どんな時も落ち着いていて、話をする時も穏やかだ。けれど、キスをしたり抱きしめてくれる時は大胆になったり、甘い言葉を囁いてくれる。
女性ならば、うっとりとしてしまうだろう。
もちろん、彩華も葵羽のする事一つ一つに目を奪われてしまうのだ。
「やっぱり、美人さんと付き合ったりもしたんだろうな………」
そんなどうしようもない言葉をこぼしながら、彩華はため息をついた。
葵羽の性格も完璧であれば、容姿はモデル並みだ。デートで並んで歩けば、皆が葵羽を見るのがわかる。不思議な色のサラサラとした髪に、切れ長の妖艶な瞳、白い肌は女性が嫉妬してしまうほど綺麗であるし、細身の体からは少し大人の色気を感じさせる。